2025年10月5日、秋の東京競馬場で行われた第76回毎日王冠(GII)は、良馬場発表ながらスピードとスタミナが問われる見応えのある一戦となりました。
注目の先行争いから、中団の有力馬がどう抜け出すか。
レースを支配したラップと各馬のポジションから、衝撃の結果を詳細に振り返ります。
毎日王冠2025 レース結果
レースは、人気の**10番 サトノシャイニング**が主導権を握る形で進みましたが、結果は人気馬同士の決着とはなりませんでした。
5番人気の**9番 レーベンスティール**が鮮やかに好位差し切り勝ちを収め、単勝770円。
2着には先行粘り込みを図った8番 ホウオウビスケッツ(2番人気)が入り、1番人気馬10番は3着に敗れるという波乱の結果となりました。
着 | 馬番 | 予 | 評 | 順 | 馬 名 | 人 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | タイム | 決手 | 上3F | 3F順 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | △ | B | 5 | レーベンスティール | 5 | 津村明秀 | 牡5 | 57 | 1.44.0 | 先行 | 33.3 | 2 |
2 | 8 | ▲ | B | 3 | ホウオウビスケッツ | 2 | 岩田康誠 | 牡5 | 57 | 1.44.1 | 逃げ | 33.8 | 6 |
3 | 10 | ◎ | A | 1 | サトノシャイニング | 1 | 武豊 | 牡3 | 55 | 1.44.2 | 先行 | 33.7 | 5 |
4 | 3 | × | B | 6 | ディマイザキッド | 7 | 岩田望来 | 牡4 | 57 | 1.44.4 | 追込 | 33.2 | 1 |
5 | 2 | C | 4 | エルトンバローズ | 4 | 西村淳也 | 牡5 | 57 | 1.44.5 | 先行 | 33.8 | 6 | |
6 | 5 | D | 11 | ジェイパームス | 10 | 佐々木大 | セ5 | 57 | 1.44.6 | 中団 | 33.6 | 4 | |
7 | 6 | ◯ | A | 2 | チェルヴィニア | 3 | 戸崎圭太 | 牝4 | 56 | 1.44.7 | 中団 | 33.8 | 6 |
8 | 1 | ☆ | E | 7 | ロングラン | 9 | 丹内祐次 | セ7 | 58 | 1.44.7 | 後方 | 33.3 | 2 |
9 | 7 | C | 9 | シルトホルン | 8 | 大野拓弥 | 牡5 | 57 | 1.44.8 | 中団 | 33.9 | 10 | |
10 | 4 | B | 10 | ラファドゥラ | 11 | 菅原明良 | 牝5 | 55 | 1.44.9 | 後方 | 33.8 | 6 | |
11 | 11 | D | 8 | シリウスコルト | 6 | 古川吉洋 | 牡4 | 57 | 1.45.2 | 先行 | 34.5 | 11 |
※予=予想、評=全頭診断ランク、順=順位表順位です。
毎日王冠2025 配当(払戻金)
券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
---|---|---|---|
単勝 | 9 | 770円 | 5番人気 |
複勝 | 9 | 190円 | 5番人気 |
8 | 140円 | 2番人気 | |
10 | 120円 | 1番人気 | |
枠連 | 7-7 | 1890円 | 7番人気 |
馬連 | 8-9 | 1850円 | 8番人気 |
ワイド | 8-9 | 560円 | 8番人気 |
9-10 | 450円 | 5番人気 | |
8-10 | 240円 | 1番人気 | |
馬単 | 9-8 | 4290円 | 17番人気 |
3連複 | 8-9-10 | 1360円 | 4番人気 |
3連単 | 9-8-10 | 13250円 | 45番人気 |
※成績、配当は主催者発行のものと照合し確認してください。
第76回毎日王冠2025 レース回顧
【展開の分析】先行馬を襲った「中緩み→超瞬発力」の罠
当日の東京芝は良馬場でしたが、ラップタイム(12.7 – **10.8** – 11.3 – 11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.2 – **11.1** – 11.4)が示す通り、勝負どころがハッキリ分かれたレースでした。
- **序盤の消耗戦:** 2ハロン目が**10.8秒**という猛烈なペースとなり、**8番 ホウオウビスケッツ**(逃げ)と1番人気の**10番 サトノシャイニング**(先行)が激しく競り合う形で先行馬に大きなスタミナの消費を強いました。
- **勝負を決した中緩み:** 4~6ハロン目にかけて11秒台後半にラップが落ち着く**中緩み**が発生。
この間に中団にいた馬たちが体力を温存し、最後の直線に向けて決定的なアドバンテージを得ました。 - **究極の瞬発力勝負へ:** ラスト2ハロン(11.2 – 11.1)で再加速する展開となり、直線は**純粋な瞬発力と切れ味**が問われる展開となりました。
【勝ち馬 9番 レーベンスティール】展開を完璧に味方につけた鋭い末脚
5番人気の**9番 レーベンスティール**が、この特殊な展開を最も有利に運びました。
2角で(9, 11)と先行集団の後ろ、好位のインで待機。先行馬が消耗するのを尻目に、中緩みで完璧に脚をためました。
そして直線、サトノシャイニングの外に持ち出されると、推定**上り3ハロン 33.3秒**(上り順位2位)という猛烈な末脚を炸裂。
先行馬の残りをまとめて差し切り、見事なGII制覇を飾りました。
決手の「先行」は中団先行を意味し、東京コースの定石通りの競馬でした。
【惜敗馬の検証】先行勢の明暗と最速上り馬
- **2着 8番 ホウオウビスケッツ(2番人気):** 逃げの競馬で、10番と激しく競りながらも、4角まで先頭を譲らないタフなレースを見せました。
上り3Fは33.8秒(6位)と並みでしたが、序盤のハイペースを考えれば、並々ならぬスタミナを証明した粘り込みの2着と言えます。 - **3着 10番 サトノシャイニング(1番人気):** 折り合いを欠いた結果、8番との先行争いの影響を最も受けたのはこの馬でした。
4角までは先頭集団(8, 10)で主導権を握りましたが、直線に入ると脚が上がり、上り3F 33.7秒(5位)と伸びを欠き3着。
能力の高さで掲示板は確保したものの、折り合い面が課題となりそうな敗戦でした。 - **4着 3番 ディマイザキッド(7番人気):** 2角で最後方((1, 3))に位置取りながら、直線でメンバー中最速となる驚異の**上り3F 33.2秒**を記録しました。
あと一歩で3着に届かず4着となりましたが、この強烈な決め手は今後のG1戦線で大いに注目すべきでしょう。
個人的には、3着に来てほしかったのですが………
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【データ出典】当ブログのデータは、TARGET(競馬)を使用しJRA公式競馬データを分析しています。
参考リンク:
JRA公式サイト(日本中央競馬会)
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