2025年11月2日(日)に東京競馬場で行われた**第172回天皇賞(秋)2025**のレース回顧をお届けします。
出走馬14頭が集結した頂上決戦は、極端な展開となり、最後の直線の攻防はまさに圧巻の一言でした。
馬場状態、ラップタイム、そして馬群の動きから、レースの真実を徹底的に分析していきます。
【レース概要】曇り・良馬場で行われた秋の盾
- 開催日: 2025年11月2日(日) 4回東京11日目
- 発走時刻: 15:40
- 距離・馬場: 芝 2000m (Bコース) / **良馬場**(曇)
- 頭数: 14頭立
- 着順: 1着 7番、2着 9番、3着 3番
天皇賞(秋)2025 レース結果
| 着 | 馬番 | 予 | 評 | 順 | 馬 名 | 人 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | タイム | 決手 | 上3F | 3F順 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 7 | ◎ | A | 1 | マスカレードボール | 1 | ルメール | 牡3 | 56 | 1.58.6 | 差し | 32.3 | 3 |
| 2 | 9 | ◯ | A | 2 | ミュージアムマイル | 3 | C.デム | 牡3 | 56 | 1.58.7 | 差し | 32.3 | 3 |
| 3 | 3 | E | 10 | ジャスティンパレス | 8 | 団野大成 | 牡6 | 58 | 1.58.8 | 差し | 32.6 | 7 | |
| 4 | 11 | ▲ | D | 6 | シランケド | 6 | 横山武史 | 牝5 | 56 | 1.58.8 | 追込 | 31.7 | 1 |
| 5 | 2 | D | 11 | アーバンシック | 11 | プーシャ | 牡4 | 58 | 1.58.8 | 後方 | 32.2 | 2 | |
| 6 | 13 | × | D | 7 | メイショウタバル | 5 | 武豊 | 牡4 | 58 | 1.58.8 | 逃げ | 33.1 | 11 |
| 7 | 12 | E | 12 | セイウンハーデス | 10 | 菅原明良 | 牡6 | 58 | 1.59.0 | 後方 | 32.4 | 6 | |
| 8 | 5 | A | 3 | タスティエーラ | 2 | レーン | 牡5 | 58 | 1.59.0 | 中団 | 33.0 | 10 | |
| 9 | 14 | △ | B | 4 | クイーンズウォーク | 9 | 川田将雅 | 牝4 | 56 | 1.59.0 | 中団 | 32.8 | 8 |
| 10 | 6 | D | 8 | ブレイディヴェーグ | 4 | 戸崎圭太 | 牝5 | 56 | 1.59.1 | 後方 | 32.3 | 3 | |
| 11 | 10 | E | 13 | エコロヴァルツ | 13 | 三浦皇成 | 牡4 | 58 | 1.59.2 | 先行 | 33.3 | 12 | |
| 12 | 1 | D | 14 | コスモキュランダ | 14 | 津村明秀 | 牡4 | 58 | 1.59.2 | 先行 | 33.3 | 12 | |
| 13 | 8 | C | 5 | ホウオウビスケッツ | 7 | 岩田康誠 | 牡5 | 58 | 1.59.2 | 先行 | 33.5 | 14 | |
| 14 | 4 | ☆ | B | 9 | ソールオリエンス | 12 | 丹内祐次 | 牡5 | 58 | 1.59.3 | 中団 | 32.9 | 9 |
※予=予想、評=全頭診断ランク、順=順位表順位です。
天皇賞(秋)2025 配当(払戻金)
| 券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 7 | 270円 | 1番人気 |
| 複勝 | 7 | 140円 | 1番人気 |
| 9 | 240円 | 3番人気 | |
| 3 | 360円 | 8番人気 | |
| 枠連 | 5-6 | 770円 | 3番人気 |
| 馬連 | 07-09 | 910円 | 2番人気 |
| ワイド | 07-09 | 430円 | 3番人気 |
| 03-07 | 820円 | 7番人気 | |
| 03-09 | 1890円 | 24番人気 | |
| 馬単 | 07-09 | 1390円 | 2番人気 |
| 3連複 | 03-07-09 | 5020円 | 13番人気 |
| 3連単 | 07-09-03 | 15860円 | 29番人気 |
※成績、配当は主催者発行のものと照合し確認してください。
天皇賞(秋)2025 レース回顧
【展開の鍵】前半62.0秒の超スローが引き起こした異変
良馬場のGⅠ、芝2000mという舞台で、レースは驚くべき緩さで進行しました。
前半1000mの通過タイムは**62.0秒**。
これは同レースの歴史の中でも極端なスローペースであり、スタミナを削る消耗戦ではなく、**ラストの瞬発力だけが問われる展開**を決定づけました。
ラップの推移: 12.6 – 12.3 – 12.2 – 12.5 – 12.4 – 12.2 – 11.5 – 10.9 – 10.9 – 11.1
レース終盤の加速(ラスト3F: 11.5 – 10.9 – 10.9)は非常に鋭く、ラスト600mで一気にギアチェンジできた馬が勝者となりました。
【勝者の軌跡】マスカレードボールが示した勝負強さ
勝利した**マスカレードボール(7番)**は、この異例の展開を完璧に味方につけました。
- 通過順位の判断: 2角で中団後方、3角でも中団に位置((3, 7, 14)グループ)。
先行勢を見ながら、馬群のインではなく**外寄りに進路を確保**し、直線での加速に備えました。 - 決定的な4角: ラップが急激に上がる4コーナーで、すでに先頭集団の直後までポジションを上げていました。
これが直線でのスムーズな加速を可能にし、**ラストの10.9-10.9**という猛烈な切れ味で前を飲み込みました。
まさに**「能力+位置取り+判断」**が三位一体となった勝利です。
【先行勢の明暗】逃げ馬の粘りと人気馬の沈没
レースをリードしたのは**メイショウタバル(13番)**で、2角から4角まで単独、または**ホウオウビスケッツ(8番)**と並走して先頭を維持しました。
- 失速した先行勢: 4角まで先頭争いを演じた**ホウオウビスケッツ(8番)**は、直線の猛烈な加速についていけず、最終的に13着に沈みました。
一方、逃げた**メイショウタバル(13番)**は粘りを見せ、6着に入線。
これはスローペースの恩恵と、同馬の地力によるものと言えます。 - 大敗した人気馬: 昨年のクラシックホースである**ソールオリエンス(4番)**は、終始後方から進めましたが、この瞬発力勝負に対応できず14着(最下位)という結果に終わりました。
【掲示板争い】追込み馬の健闘
2着の**ミュージアムマイル(9番)**、3着の**ジャスティンパレス(3番)**も、勝者と同様に中団・後方から鋭く伸びた組です。
特に**ジャスティンパレス**は、8番人気の評価ながら、最後の直線で強烈な末脚を発揮し、上位人気馬の間を割っての3着入線となりました。
総じて、天皇賞(秋)2025は、東京芝2000mでありながら、展開が極端に偏ったことで、**「いかにスローペースを読み、瞬発力を温存し、勝負所で加速できるか」**という能力が最優先された、非常にテクニカルなレースとなりました。
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【データ出典】当ブログのデータは、TARGET(競馬)を使用しJRA公式競馬データを分析しています。
参考リンク:
JRA公式サイト(日本中央競馬会)
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