夏の札幌競馬場で行われる牝馬限定の重賞、クイーンステークス。
例年、好メンバーが揃い熱戦が繰り広げられますが、波乱の決着となることも少なくありません。
2025年のクイーンステークスを予想する上で欠かせないのが、出走各馬の「前走データ」の分析です。
過去10年間(2015年~2024年)のクイーンステークスのデータから、前走の距離、脚質、クラス、着順、着差、そして斤量の増減が、本番のレースにどう影響するのかを徹底的に検証します。
あなたのクイーンステークス攻略に役立つ、具体的なデータ傾向を見ていきましょう。
前走平地距離別集計:ベストはマイルからの参戦?
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1200m | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1400m | 0-0-1-3/4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
1600m | 4-5-3-24/36 | 11.1% | 25.0% | 33.3% |
1700m | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1800m | 2-2-3-35/42 | 4.8% | 9.5% | 16.7% |
2000m | 2-3-3-26/34 | 5.9% | 14.7% | 23.5% |
2400m | 2-0-0-7/9 | 22.2% | 22.2% | 22.2% |
3200m | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
クイーンステークスは芝1800mで行われますが、前走の距離によって成績に大きな差が出ています。
最も好成績を収めているのは、前走1600m(マイル)からの参戦馬です。
勝率11.1%、連対率25.0%、複勝率33.3%と安定した成績を残しています。出走頭数も多いため、最も中心となるローテーションと言えるでしょう。
一方、注目すべきは前走2400mからの参戦馬。
出走頭数は少ないものの、勝率22.2%と非常に高い数値を記録しており、長距離からの距離短縮組が意外な好走を見せるケースがあります。
前走と同じ1800mの馬は勝率4.8%とやや低調で、連対率・複勝率も伸び悩んでいます。
これは、前走で好走した馬が昇級してくるケースや、適性外の距離で敗れた馬が巻き返しを図るケースなど、様々な要因が考えられます。
前走脚質別集計:注目すべきは前走上がりタイム上位馬
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 0-0-2-16/18 | 0.0% | 0.0% | 11.1% |
平地・先行 | 4-5-1-29/39 | 10.3% | 23.1% | 25.6% |
平地・中団 | 2-5-5-36/48 | 4.2% | 14.6% | 25.0% |
平地・後方 | 3-0-1-16/20 | 15.0% | 15.0% | 20.0% |
平地・マクリ | 0-0-1-1/2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
3F 1位 | 1-0-1-7/9 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
3F 2位 | 1-0-0-6/7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% |
3F 3位 | 1-2-0-10/13 | 7.7% | 23.1% | 23.1% |
3F ~5位 | 1-0-5-11/17 | 5.9% | 5.9% | 35.3% |
3F 6位~ | 5-8-4-62/79 | 6.3% | 16.5% | 21.5% |
前走の脚質と上がり3ハロンのタイムは、クイーンステークスを読み解く上で非常に重要です。
前走で「平地・先行」していた馬が最も多く勝利を挙げており、勝率10.3%、連対率23.1%、複勝率25.6%と安定した成績です。
しかし、驚くべきは「平地・後方」からの競馬で、勝率15.0%と先行馬を上回っています。
これは、前走で厳しい展開に巻き込まれて後方からになったものの、能力の高さで巻き返していることを示唆しています。
また、上がり3ハロンのタイムに注目すると、「3F 1位」「3F 2位」「3F 3位」といった上位の上がりを使った馬が安定して好走しています。
特に「3F 3位」は連対率23.1%と高く、前走でメンバー中3位の上がりを使えた馬は要チェックです。
差し・追い込み脚質の馬でも、前走で速い上がりを使えているかどうかが重要なポイントと言えるでしょう。
前走クラス別集計:G1組が圧倒的な強さ
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2勝 | 0-0-1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% |
3勝 | 0-1-2-12/15 | 0.0% | 6.7% | 20.0% |
OPEN非L | 0-0-2-8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
OPEN(L) | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
G3 | 3-4-2-36/45 | 6.7% | 15.6% | 20.0% |
G1 | 6-5-3-27/41 | 14.6% | 26.8% | 34.1% |
クイーンステークスにおける前走クラスの傾向は非常に明確です。
圧倒的な成績を誇るのは、前走G1レースに出走していた馬です。
6勝を挙げ、勝率14.6%、連対率26.8%、複勝率34.1%といずれも群を抜いています。
これは、G1で戦ってきた実績や能力が、クイーンステークスという舞台で存分に発揮されていることを示唆しています。
次いで、前走G3組も3勝を挙げていますが、G1組と比較すると見劣りします。
2勝クラスや3勝クラスといった下級条件からの参戦馬は厳しい結果となっており、基本的には前走G1組が最有力、次点でG3組と考えるのが妥当でしょう。
前走確定着順別集計:負けていても巻き返しに期待
前確定着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
同級1着 | 2-0-0-7/9 | 22.2% | 22.2% | 22.2% |
同級2着 | 0-1-2-3/6 | 0.0% | 16.7% | 50.0% |
同級3着 | 2-2-0-7/11 | 18.2% | 36.4% | 36.4% |
同級4着 | 0-1-1-4/6 | 0.0% | 16.7% | 33.3% |
同級5着 | 0-0-0-5/5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
同級6~9着 | 2-2-3-16/23 | 8.7% | 17.4% | 30.4% |
同級10着~ | 4-3-1-34/42 | 9.5% | 16.7% | 19.0% |
下級1着 | 0-0-2-15/17 | 0.0% | 0.0% | 11.8% |
下級2着 | 0-0-1-1/2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
下級3着 | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
下級4着 | 0-1-0-0/1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
下級6~9着 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
下級10着~ | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
クイーンステークスでは、前走の着順が意外な傾向を示しています。
前走「同級3着」の馬は勝率18.2%、連対率36.4%、複勝率36.4%と非常に高い好走率を誇ります。
惜敗からの巻き返しが目立つと言えるでしょう。
さらに注目すべきは、前走「同級10着~」と大敗していた馬が4勝を挙げており、勝率9.5%と健闘しています。
これは、前走でG1などの強敵相手に大敗したものの、クラスが下がって巻き返す、あるいは得意の洋芝や距離で本領を発揮するといったケースが考えられます。
逆に、前走で「同級5着」だった馬は過去10年で馬券に絡んだことがありません。
前走の着順だけで判断せず、レース内容やメンバー構成を考慮することが重要です。
前走着差別集計:負けが小さければチャンスあり
前走着差 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
勝0.1~0.2 | 2-0-1-9/12 | 16.7% | 16.7% | 25.0% |
勝0.0 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
負0.0 | 0-0-1-2/3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
負0.1~0.2 | 0-2-2-4/8 | 0.0% | 25.0% | 50.0% |
負0.3~0.5 | 0-2-3-15/20 | 0.0% | 10.0% | 25.0% |
負0.6~0.9 | 4-3-1-17/25 | 16.0% | 28.0% | 32.0% |
負1.0~1.9 | 3-1-0-27/31 | 9.7% | 12.9% | 12.9% |
負2.0~2.9 | 0-1-1-5/7 | 0.0% | 14.3% | 28.6% |
負3.0~3.9 | 0-1-0-4/5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
負4.0~ | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走の着差は、馬の能力や状態を測る上で重要な指標となります。
特に注目すべきは、前走で「負0.6~0.9秒」差で敗れていた馬が4勝を挙げ、勝率16.0%、連対率28.0%、複勝率32.0%と非常に好成績を残している点です。
僅差の敗戦であれば、本番で巻き返す可能性が高いと言えるでしょう。
また、「負0.1~0.2秒」差の馬も連対率25.0%、複勝率50.0%と優秀です。
意外にも、「負1.0~1.9秒」差で負けていた馬も3勝を挙げています。
これは、前走で厳しい展開や、明らかに不利な条件で能力を出し切れなかった馬が、適条件で一変するケースを示唆しています。
一方で、前走で「勝0.0秒」差(同着勝ち)だった馬は、勝ち切ったにもかかわらず、本番では苦戦傾向にあるようです。
前走斤量別集計:斤量減が有利に働く傾向
前走斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
増減無し | 2-5-3-34/44 | 4.5% | 15.9% | 22.7% |
増減±1kg以内 | 6-8-8-67/89 | 6.7% | 15.7% | 24.7% |
今回増 | 5-3-7-48/63 | 7.9% | 12.7% | 23.8% |
今回1~1.5kg増 | 4-2-5-27/38 | 10.5% | 15.8% | 28.9% |
今回2~2.5kg増 | 1-1-0-11/13 | 7.7% | 15.4% | 15.4% |
今回3kg以上増 | 0-0-2-10/12 | 0.0% | 0.0% | 16.7% |
今回減 | 3-2-0-17/22 | 13.6% | 22.7% | 22.7% |
今回1~1.5kg減 | 0-1-0-6/7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
今回3kg以上減 | 3-1-0-11/15 | 20.0% | 26.7% | 26.7% |
クイーンステークスでは、前走からの斤量の増減も重要なファクターです。
特に注目すべきは、「今回減(全体の減量)」の馬で、勝率13.6%、連対率22.7%、複勝率22.7%と好成績です。
そして、その中でも「今回3kg以上減」の馬は、勝率20.0%、連対率26.7%、複勝率26.7%と非常に高い好走率を誇ります。
これは、重い斤量を背負ってG1などを戦った馬が、クイーンステークスで斤量減となり、パフォーマンスを向上させるケースが多いことを示唆しています。
一方で、「今回増」の馬も勝率7.9%と悪くはありませんが、「今回3kg以上増」となると馬券圏内に入った例は少ないです。
斤量減、特に大幅な斤量減となる馬には注目が必要です。
まとめ:クイーンステークス2025前走データからの推奨馬
過去10年間のクイーンステークスの前走データ分析から、好走パターンが明確に見えてきました。
- 前走はマイル(1600m)からの参戦が最も安定。
- 意外にも前走2400mからの距離短縮組は高勝率。
- 前走の脚質は「先行」が有利も、「後方」からの勝利も多い。
- 前走で「上がり3ハロン上位」の馬に注目。
- 前走クラスはG1組が圧倒的に強い。
- 前走の着順は「同級3着」の惜敗組や「同級10着~」の大敗からの巻き返しに期待。
- 斤量減、特に3kg以上の大幅減となる馬は要チェック。
これらの前走データを参考に、2025年のクイーンステークスの出走馬を吟味し、夏の女王の座に輝く一頭を見つけ出しましょう!
全人馬無事に完走し見応えのある良いレースを願います。