真夏の札幌ダートを舞台に行われるエルムステークス。
荒れるイメージがあるかもしれませんが、過去10年間のデータを徹底的に分析すると、好走する馬には明確な傾向が見えてきます。
この記事では、2014年から2024年までの札幌ダート1700mの行われたデータを基に、人気、馬番、年齢、脚質、血統といった多角的な視点から、2025年のエルムS予想で狙うべき馬の条件を深く掘り下げて解説します。
人気別データ:2番人気は信頼度が高い、しかし波乱も
過去10年のエルムステークスにおける人気別の成績を見ると、面白い傾向が浮かび上がってきます。
一般的に最も信頼される1番人気は、勝率10.0%、複勝率50.0%とまずまずの成績ですが、突出した安定感とは言えません。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1- 2- 2- 5/ 10 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 3- 1- 1- 5/ 10 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
10番人気 | 0- 1- 3- 6/ 10 | 0.0% | 10.0% | 40.0% |
一方、2番人気は勝率30.0%、連対率40.0%、複勝率50.0%と、1番人気を上回る高い信頼度を誇ります。
このことから、エルムステークスでは、人気が集中しすぎない程度の評価を得ている実力馬が好走しやすいと言えるでしょう。
また、波乱の立役者として注目したいのが10番人気です。
勝率は0%ながら、過去10年で3度も3着以内に入っており、複勝率は40.0%に達します。
高配当を狙うなら、このゾーンの馬をヒモ穴として加えるのが定石となりそうです。
馬番別データ:内枠偶数、特に4番が驚異的な成績
エルムステークスが行われる札幌ダート1700mは、スタートから最初のコーナーまでの距離が短いため、内枠が有利とされています。
この傾向は過去のデータにも如実に表れています。
馬番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
4番 | 3- 2- 0- 5/10 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
8番 | 2- 1- 2- 5/10 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
9番 | 2- 0- 0- 8/10 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
10番 | 0- 2- 1- 7/10 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
特筆すべきは4番で、過去10年で3勝を挙げ、連対率・複勝率ともに50.0%という驚異的な好成績を残しています。
さらに8番と9番も高い勝率を誇っており、内寄りの偶数馬番に好走馬が集中する傾向が見て取れます。
一方、1番や7番といった馬番は苦戦傾向にあり、枠順の有利不利が結果を大きく左右するレースと言えるでしょう。
年齢別データ:5歳馬が中心、6歳馬は穴の存在
ダートの重賞ではベテラン勢の活躍が目立ちますが、エルムSでは若い世代が力を発揮しています。
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 3- 3- 1- 17/ 24 | 12.5% | 25.0% | 29.2% |
5歳 | 6- 3- 3- 24/ 36 | 16.7% | 25.0% | 33.3% |
6歳 | 1- 2- 5- 30/ 38 | 2.6% | 7.9% | 21.1% |
7歳 | 0- 1- 0- 24/ 25 | 0.0% | 4.0% | 4.0% |
5歳馬は6勝と最多勝利を挙げ、勝率16.7%と最も優秀な成績を残しています。
4歳馬も3勝と好調で、この2世代が中心となってレースを形成する傾向にあります。
また、6歳馬は勝利数こそ1勝ですが、5回も3着以内に入っており、複勝率は21.1%と侮れません。
馬券の相手として押さえておきたい存在です。
一方で、7歳以上になると複勝率が極端に下がるため、厳しい戦いを強いられる傾向にあります。
脚質別データ:先行馬が圧倒的に有利
札幌ダート1700mは、前に行く馬が有利なコースであり、エルムステークスもその傾向が顕著に出ています。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 0- 1- 3- 6/ 10 | 0.0% | 10.0% | 40.0% |
平地・先行 | 7- 8- 4- 12/ 31 | 22.6% | 48.4% | 61.3% |
平地・中団 | 2- 0- 3- 48/ 53 | 3.8% | 3.8% | 9.4% |
平地・後方 | 0- 0- 0- 40/ 40 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
先行馬は過去10年で7勝を挙げ、連対率48.4%、複勝率61.3%と圧倒的な成績を残しています。
スタートからスムーズに先行できる馬が、そのまま押し切るパターンが多いことを示唆しています。
対照的に、中団から差しを狙う馬は勝率3.8%、後方から追い込む馬は1頭も馬券に絡んでおらず、展開利を活かせない限り、厳しいレースになるでしょう。
血統データ:ヘニーヒューズ産駒は好相性
最後に、エルムステークスで好走する馬に共通する血統的特徴を見ていきましょう。
特定の種牡馬や母父馬、さらにはニックスの傾向が顕著です。
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
ヘニーヒューズ | 2- 1- 0- 0/ 3 | 66.7% | 100.0% | 100.0% |
トーセンブライト | 1- 1- 0- 1/ 3 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
カネヒキリ | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
種牡馬では、ヘニーヒューズ産駒が2勝を挙げ、出走した3頭すべてが馬券に絡むという驚異的な相性を誇ります。
ダート適性の高さがこのレースで存分に発揮されていると言えるでしょう。
また、母父馬ではゼンノロブロイが勝率33.3%、連対率66.7%と優秀な成績を残しており、注目に値します。
ニックスの傾向を見ると、サンデーサイレンス系×ヴァイスリージェント系や、サンデーサイレンス系×ターントゥ・ロベルト他系といった組み合わせが好走傾向にあります。
まとめ:エルムステークス2025予想で狙うべき馬は?
過去10年のデータを総合すると、今年のエルムステークスで好走する可能性が高い馬は、以下の条件を満たしていると考えられます。
- 人気:2番人気、または配当妙味のある中穴~ヒモ穴の馬。
- 馬番:内寄りの偶数馬番(特に4番)。
- 年齢:5歳馬が中心だが、6歳馬の複勝圏内も視野に入れる。
- 脚質:先行力があり、道中スムーズに前目につけられる馬。
- 血統:ヘニーヒューズ産駒やゼンノロブロイを母父に持つ馬。
これらのデータを参考に、今年のエルムステークスの予想を組み立ててみてはいかがでしょうか?
全人馬無事に完走し見応えのある良いレースを願います。