真夏の新潟競馬場を舞台に行われる名物重賞、アイビスサマーダッシュ。
直線1000mという特殊なコース形態から、毎年、思わぬ波乱が起こりやすいレースとして知られています。
この記事では、2015年から2024年までの過去10年間の膨大な前走データを徹底的に分析。
「前走のレース内容が、アイビスSDで好走する馬を見つける最大のヒント」という視点から、距離、脚質、クラス、着順、そして斤量といった詳細な情報まで深掘りし、2025年のアイビスサマーダッシュを攻略する鍵を探ります。
あなたの馬券予想に役立つ、具体的な傾向を一緒に見ていきましょう。
前走平地距離別集計:直線1000mへの適性が試される
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1000m | 5-7-1-38/51 | 9.8% | 23.5% | 25.5% |
1150m | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
1200m | 5-3-9-77/94 | 5.3% | 8.5% | 18.1% |
1300m | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
1400m | 0-0-0-17/17 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1500m | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
1600m | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1700m | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1800m | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
アイビスサマーダッシュは、日本で唯一の直線1000mの重賞です。
そのため、前走の距離が非常に重要なファクターとなります。
データが示す通り、最も好走しているのは**前走で同じ1000mを走っていた馬**で、5勝を挙げ、連対率も23.5%と高い水準です。
次いで**1200mからの参戦馬**も5勝していますが、勝率や連対率は1000m組に劣ります。
注目すべきは、1400m以上の距離から参戦した馬が軒並み着外に沈んでいる点。
これは、このレースが「生粋のスプリンター」のための舞台であることを明確に示しています。
長い距離を使われていた馬は、スピード負けする可能性が高いでしょう。
前走脚質別集計:逃げ・先行馬の有利は歴然
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 3-3-1-15/22 | 13.6% | 27.3% | 31.8% |
平地・先行 | 1-5-3-34/43 | 2.3% | 14.0% | 20.9% |
平地・中団 | 2-2-4-56/64 | 3.1% | 6.3% | 12.5% |
平地・後方 | 3-0-2-29/34 | 8.8% | 8.8% | 14.7% |
平地・マクリ | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
3F 1位 | 1-0-0-9/10 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
3F 2位 | 1-0-3-9/13 | 7.7% | 7.7% | 30.8% |
3F 3位 | 1-0-0-6/7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% |
3F ~5位 | 2-4-2-16/24 | 8.3% | 25.0% | 33.3% |
3F 6位~ | 4-6-5-93/108 | 3.7% | 9.3% | 13.9% |
直線競馬において、スタートからのダッシュ力と、そのまま押し切るスピードは非常に重要です。
前走の脚質データからもその傾向がはっきりと見て取れます。
**前走で「平地・逃げ」だった馬**は、勝率13.6%、連対率27.3%、複勝率31.8%と、他を圧倒する好成績を残しています。
**「平地・先行」馬**も、連対率14.0%と一定の好走率を維持。
逆に、後方から差し・追い込みを狙う馬は、直線で前が止まらない限り厳しい展開となることが多く、好走率は低めです。
アイビスSDでは、前に行けるスピードと持続力を兼ね備えた馬が有利と言えるでしょう。
前走クラス別集計:実績馬の強さが光る
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝 | 0-0-0-4/4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2勝 | 0-0-2-5/7 | 0.0% | 0.0% | 28.6% |
3勝 | 0-1-2-17/20 | 0.0% | 5.0% | 15.0% |
OPEN非L | 5-8-3-66/82 | 6.1% | 15.9% | 19.5% |
OPEN(L) | 0-0-0-7/7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
G3 | 5-1-3-31/40 | 12.5% | 15.0% | 22.5% |
G2 | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
G1 | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
アイビスサマーダッシュはG3レースであり、前走のクラス実績は重要な判断基準となります。
データを見ると、**前走もG3レースに出走していた馬**が5勝を挙げ、勝率12.5%と最も高い数値を記録しています。
これは、同クラスの重賞で戦ってきた実績が、このレースでも通用することを示しています。
また、**オープン特別(非リステッド)からの参戦馬**も5勝を挙げており、連対率15.9%と高水準です。
一方で、下級条件からの挑戦馬は厳しい結果に終わることが多く、**オープンクラス以上の実績を持つ馬に注目する**のが賢明でしょう。
前確定着順別集計:前走好走組の勢いは侮れない
前確定着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
同級1着 | 1-2-1-6/10 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
同級2着 | 1-4-1-4/10 | 10.0% | 50.0% | 60.0% |
同級3着 | 3-2-0-9/14 | 21.4% | 35.7% | 35.7% |
同級4着 | 2-0-0-5/7 | 28.6% | 28.6% | 28.6% |
同級5着 | 0-0-0-7/7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
同級6~9着 | 2-1-2-34/39 | 5.1% | 7.7% | 12.8% |
同級10着~ | 0-0-2-43/45 | 0.0% | 0.0% | 4.4% |
下級1着 | 0-0-3-6/9 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
下級2着 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
下級3着 | 0-1-0-2/3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
下級4着 | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
下級5着 | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
下級6~9着 | 0-0-1-5/6 | 0.0% | 0.0% | 16.7% |
下級10着~ | 0-0-0-12/12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走の着順は、馬の現在の勢いを測る上で非常に重要です。
特筆すべきは、**前走で同級のレースで3着、4着だった馬**がそれぞれ3勝、2勝を挙げ、勝率も21.4%と28.6%と非常に高い点です。
また、「同級2着」の馬も連対率50.0%、複勝率60.0%と非常に安定した成績を残しています。
このデータからは、前走で上位に食い込んでいる馬、特に惜敗だった馬が、このレースで巻き返す可能性が高いことが読み取れます。
反対に、前走で2桁着順に敗れている馬は、好走が難しい傾向にあります。
前走着差別集計:僅差の好走は要チェック
前走着差 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
勝2.0~ | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
勝1.0~1.9 | 0-0-0-0/0 | – | – | – |
勝0.6~0.9 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
勝0.3~0.5 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
勝0.1~0.2 | 1-1-4-6/12 | 8.3% | 16.7% | 50.0% |
勝0.0 | 0-1-0-4/5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
負0.0 | 1-0-0-1/2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
負0.1~0.2 | 3-7-0-16/26 | 11.5% | 38.5% | 38.5% |
負0.3~0.5 | 3-0-2-31/36 | 8.3% | 8.3% | 13.9% |
負0.6~0.9 | 1-0-0-33/34 | 2.9% | 2.9% | 2.9% |
負1.0~1.9 | 0-1-3-32/36 | 0.0% | 2.8% | 11.1% |
負2.0~2.9 | 0-0-1-7/8 | 0.0% | 0.0% | 12.5% |
負3.0~3.9 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
負4.0~ | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走の着差は、馬のパフォーマンスをより細かく把握するのに役立ちます。
最も注目すべきは、**「負0.1~0.2秒差」の僅差で敗れた馬**で、3勝を挙げ、連対率38.5%、複勝率38.5%と非常に高い好走率を誇ります。
惜敗からの巻き返しが期待できる、まさに「悔しい2着、3着」だった馬は要チェックです。
また、**「負0.0秒差(同着負け)」**の馬も勝率50.0%と非常に高く、実力がありながら運に恵まれなかったタイプと言えます。
逆に、0.6秒以上の大差で敗れている馬は、巻き返しが難しい傾向にあります。
前走斤量別集計:斤量変化がパフォーマンスに与える影響
前走斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
増減無し | 3-2-2-41/48 | 6.3% | 10.4% | 14.6% |
増減±1kg以内 | 7-6-8-97/118 | 5.9% | 11.0% | 17.8% |
今回増 | 5-3-5-56/69 | 7.2% | 11.6% | 18.8% |
今回1~1.5kg増 | 3-1-3-23/30 | 10.0% | 13.3% | 23.3% |
今回2~2.5kg増 | 0-2-1-16/19 | 0.0% | 10.5% | 15.8% |
今回3kg以上増 | 2-0-1-16/19 | 10.5% | 10.5% | 15.8% |
今回減 | 2-5-3-39/49 | 4.1% | 14.3% | 20.4% |
今回1~1.5kg減 | 0-3-3-32/38 | 0.0% | 7.9% | 15.8% |
今回2~2.5kg減 | 0-0-0-4/4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
今回3kg以上減 | 1-1-0-2/4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
斤量の増減は、馬のパフォーマンスに直接影響を与える要素の一つです。
興味深いことに、**前走から斤量が増加している馬(「今回増」)**が5勝を挙げており、特に**「今回1~1.5kg増」**や**「今回3kg以上増」**の馬は勝率が高い傾向にあります。
これは、前走で高いパフォーマンスを見せた結果として斤量が増えた、あるいは馬が力をつけている証拠と捉えることもできるでしょう。
一方で、出走数は少ないものの、**「今回3kg以上減」の馬**も1勝、連対率50.0%、複勝率50.0%と非常に高い好走率を示しています。
大幅な斤量減は、馬にとって大きなアドバンテージとなるため、見逃せないポイントです。
まとめ:前走データが導くアイビスSDの攻略法
過去10年間の前走データ分析から、アイビスサマーダッシュで好走する馬の具体的な傾向が見えてきました。
- 前走も短距離(特に1000m)を走っていた馬が有利。
- 前走で「逃げ」または「先行」の脚質だった馬が好走傾向。
- 前走がG3またはオープン特別(非リステッド)だった馬に注目。
- 前走で同級レースの2~4着に入った馬は勢いがある。
- 前走で僅差の敗戦(負0.1~0.2秒差)だった馬は巻き返しに期待。
- 前走から斤量が増えている馬や、大幅に斤量が減る馬も要チェック。
これらの前走データを総合的に判断することで、2025年のアイビスサマーダッシュの好走馬をより正確に見極めることができるはずです。あなたの馬券予想の一助となれば幸いです!
全人馬無事に完走し見応えのある良いレースを願います。