真夏の札幌ダートを舞台に行われるエルムステークス2025。
この難解なレースを攻略するために、札幌ダート1700mで行われた過去10年間の詳細な前走データを徹底的に分析しました。
この記事では、前走の距離、脚質、クラス、着順、着差、斤量、そして馬体重といった多角的な視点から、2025年のエルムSで狙うべき馬の条件を深く掘り下げて解説します。
前走データ分析から見えてくる好走傾向
まずは、エルムステークスを好走した馬たちが、前走でどのようなレースをしていたのかを見ていきましょう。
前走平地距離別データ:距離短縮組と距離据え置き組に注目
過去10年のデータから、エルムステークスと相性の良い前走距離が明確になりました。
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1700m | 7- 3- 4- 45/ 59 | 11.9% | 16.9% | 23.7% |
1800m | 1- 1- 2- 16/ 20 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
1900m | 1- 2- 2- 6/ 11 | 9.1% | 27.3% | 45.5% |
2000m | 1- 1- 2- 13/ 17 | 5.9% | 11.8% | 23.5% |
1400m | 0- 2- 0- 9/ 11 | 0.0% | 18.2% | 18.2% |
最も好成績を残しているのは、前走1700mからの参戦馬です。
エルムステークスと同距離のレースを使われてきた馬は、適性が高く、好走率も安定しています。
また、注目すべきは前走1900mからの距離短縮組です。
出走頭数は少ないものの、複勝率45.5%と非常に高い好走率を誇ります。
一方、短距離の1400mやマイルからの参戦馬は苦戦傾向にあるため、距離適性には注意が必要です。
前走脚質別データ:中団からの差し馬が狙い目
エルムステークスは前目の脚質が有利とされていますが、前走の脚質を見ると意外な傾向が見えてきます。
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 1- 1- 2- 18/ 22 | 4.5% | 9.1% | 18.2% |
平地・先行 | 3- 5- 5- 33/ 46 | 6.5% | 17.4% | 28.3% |
平地・中団 | 5- 2- 3- 39/ 49 | 10.2% | 14.3% | 20.4% |
平地・後方 | 0- 1- 0- 12/ 13 | 0.0% | 7.7% | 7.7% |
3F 1位 | 3- 1- 1- 7/ 12 | 25.0% | 33.3% | 41.7% |
前走で中団からレースを進めていた馬が、最多の5勝を挙げています。
これは、前走で過度な負担がかからず、末脚を温存できた馬が本番で好走しやすいことを示唆します。
また、前走上がり3ハロン1位だった馬は、勝率25.0%、複勝率41.7%と驚異的な成績を残しており、強烈な末脚を持つ馬は必ずチェックすべきでしょう。
前走クラス別データ:オープンクラスからの好走が目立つ
出走馬の前走のクラスも、予想ファクターとして非常に重要です。
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
OPEN非L | 6- 2- 4- 43/ 55 | 10.9% | 14.5% | 21.8% |
G3 | 2- 5- 2- 27/ 36 | 5.6% | 19.4% | 25.0% |
3勝 | 1- 1- 0- 5/ 7 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
G2 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
エルムステークスは、前走オープンクラス(リステッド競走を除く)からの参戦馬が6勝と最も多く勝利しています。
また、前走3勝クラスを勝ち上がってきた馬も、勝率14.3%と非常に優秀な成績を残しており、勢いのある馬には注目が必要です。
一方で、前走G2からの参戦馬は、過去10年で馬券に絡んでいないため、割引が必要かもしれません。
前走確定着順別データ:掲示板内からの巻き返しが鍵
前走の結果が、本番のエルムステークスでどのように繋がっているかを見ていきましょう。
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
同級1着 | 2- 3- 2- 12/ 19 | 10.5% | 26.3% | 36.8% |
同級2着 | 2- 2- 1- 10/ 15 | 13.3% | 26.7% | 33.3% |
同級3着 | 3- 0- 1- 7/ 11 | 27.3% | 27.3% | 36.4% |
同級4着 | 0- 0- 3- 9/ 12 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
同級5着 | 0- 2- 0- 9/ 11 | 0.0% | 18.2% | 18.2% |
特に注目すべきは前走3着だった馬で、勝率27.3%と圧倒的な成績を残しています。
惜敗からの巻き返しが期待できるため、前走で惜しいレースをした馬は要注意です。
また、前走で掲示板(5着以内)に入線していた馬は、本番でも好走する傾向にあります。
前走着差別データ:僅差の敗戦組に注目
前走で僅差の勝敗を経験した馬が、本番でどのような結果を出しているのかを見てみましょう。
前走着差 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
勝0.0(同着) | 2- 0- 0- 5/ 7 | 28.6% | 28.6% | 28.6% |
負0.0(同着) | 1- 1- 0- 2/ 4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
負0.1~0.2 | 2- 0- 0- 9/ 11 | 18.2% | 18.2% | 18.2% |
前走の着差が「負0.1~0.2秒差」だった馬が、勝率18.2%と高い数値をマークしています。
僅差で惜敗した馬は、本番で能力を出し切る可能性を秘めていると言えるでしょう。
また、前走で同着だった馬も、高い勝率や連対率を誇ります。
前走斤量別データ:実績馬の斤量増はプラス材料
エルムステークスは別定戦のため、前走での実績に応じて斤量が変動します。
この「前走からの斤量増減」も、好走馬の傾向を探る上で重要なファクターです。
前走斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
今回1~1.5kg増 | 3- 4- 0- 15/ 22 | 13.6% | 31.8% | 31.8% |
今回2~2.5kg増 | 0- 0- 3- 5/ 8 | 0.0% | 0.0% | 37.5% |
増減無し | 3- 5- 5- 38/ 51 | 5.9% | 15.7% | 25.5% |
今回減 | 4- 1- 2- 42/ 49 | 8.2% | 10.2% | 14.3% |
最も注目すべきは「今回1~1.5kg増」の馬です。
勝率13.6%、連対率31.8%と非常に高い好走率を誇ります。
これは、前走で好走した結果、実績によって斤量が増えた馬が、本番のエルムSでも通用する地力を持っていることを示唆しています。
一方で、今回斤量が減る馬は相対的に成績が低く、割引が必要です。
前走馬体重別データ:大型馬の活躍が目立つ
ダート重賞らしく、エルムステークスも馬体重が好走ファクターの一つとなります。
前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
460~479kg | 1- 1- 3- 19/ 24 | 4.2% | 8.3% | 20.8% |
480~499kg | 5- 3- 3- 31/ 42 | 11.9% | 19.0% | 26.2% |
500~519kg | 2- 2- 1- 25/ 30 | 6.7% | 13.3% | 16.7% |
520~539kg | 1- 3- 2- 18/ 24 | 4.2% | 16.7% | 25.0% |
540kg~ | 1- 0- 1- 10/ 12 | 8.3% | 8.3% | 16.7% |
最も好走しているのは馬体重が480~499kgの馬で、5勝と最多勝を挙げています。
また、500kgを超える大型馬も好走傾向にあり、パワフルな走りが求められる札幌ダートでは、馬格のある馬が有利なことを示しています。
まとめ:エルムステークス2025予想で狙うべき馬は?
過去10年間の前走データを総合すると、今年のエルムステークスで高配当を狙うべき馬は、以下の条件を満たしている可能性が高いと考えられます。
- 前走距離:1700mまたは1900mからの参戦馬。
- 前走脚質:前走で中団からレースを進め、かつ上がり3ハロン1位の末脚を使っている馬。
- 前走クラス・着順:前走オープンクラスまたは3勝クラスで、3着以内だった馬。
- 前走着差:僅差(0.1~0.2秒差)で敗戦した馬の巻き返し。
- 前走斤量・馬体重:今回斤量が1~1.5kg増える馬で、馬体重が480kg以上の馬。
これらのデータ傾向を踏まえ、今年の出走馬の中から該当する馬を絞り込んでいくことで、より精度の高い予想が組み立てられるはずです。